2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼによるヘム分解中間過程とCOのガス状伝達物質としての意義
Project/Area Number |
18590278
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
野口 正人 久留米大学, 医学部, 教授 (10124611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 講師 (40352124)
坂本 寛 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70309748)
佐藤 秀明 久留米大学, 医学部, 助手 (60271996)
|
Keywords | 酵素 / 生体分子 / 蛋白質 / 有機化学 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)反応に必要とされる電子はNADPH-シトクロムP450還元酵素CPR)から供給される。CPRからHOへの電子伝達機構を検討するために、FMN欠失CPRを調製し、これを電子供与体としたときのヘムおよびベルドヘムの分解の様子を調べた。FMN欠失CPRは、CPR140A/Y178A変異酵素をさらに2MKBrに透析することにより得た。FMN欠失CPRのヘム-HO結合体に対する親和性(結合定数)は、野生型CPRのそれと変わらなかったが、ヘム-HO結合体のヘムの分解は起こらなかった。このことから、ヘム分解に必要とされる最初の電子はCPRのFMNから伝達されなければならないことが知られた。これに対して、ベルドヘムはFMN欠失CPRによってビリベルジン鉄錯体にまで分解された。この反応はフェリサイアナイドによって阻害された。このことから、ベルドヘムがビリベルジン鉄錯体に転換される反応に必要とされる電子は、HMNを介さない経路、おそらくEADを介して伝達されうるものと論結された。この結論は、ジメチルエステル化されたヘムを用いると、ベルドヘム・ジメチルエステルが蓄積することからも支持された。ビリベルジン鉄錯体は、反応系に野生型のCPRあるいはデスファラールを添加すると、速やかにビリベルジンに変化したので、この反応に必要とされる電子は、再びFMNから供給されることが知られた。以上をまとめると、HO反応においては、反応段階に応じて、FMNから電子が供給される従来どおりの電子伝達経路とFMNを介さない(おそらくFAD)別経路が機能していることが知られた。
|
Research Products
(2 results)