2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体蛋白質に由来するAICDによるp53を介した神経細胞死誘導機構
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18590279
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
尾崎 俊文 Chiba Cancer Center (Research Institute), 生化学研究部, 主席研究員 (40260252)
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Keywords | p53 / AICD / APP / apoptosis / アルツハイマー |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)は、痴呆を特徴とする進行性の神経変性疾患であり、神経細胞の脱落、老人斑、および神経原繊維変化の蓄積を伴う。セクレターゼによるアミロイド前駆体蛋白質(APP)の連続的な切断によって生成されるアミロイドβ蛋白(Aβ)は、凝集性および神経毒性を持つとともに老人斑の主要な成分であることから、Aβの蓄積による老人斑の形成がアルツハイマー病の主たる原因の一つであると考えられている。一方、最近になってセクレターゼによるAPPの切断によってAβとともに生成されるAPPのカルボキシル末端に由来する断片(AICD)が、細胞核内に移行し転写複合体を形成ずることによって、標的遺伝子群の発現調節を介して神経細胞死を誘導する機能を持つ可能性が指摘されている。従って、AICDによる神経細胞死の誘導という現象は、アルツハイマー病の原因の解明に向けての新たな研究の方向性を示しているが、AICDを介した神経細胞死の詳細な分子機構について不明である。 昨年度、我々はAICDがco-factorとしてp53の活性を正に制御することによって、神経細胞死を誘導する可能性を強く示唆する実験結果を得た。本年度、我々はアセチルトランスフェラーゼ活性を持つTip60がAICD/p53複合体に含まれる可能性を示唆する実験結果を得た。従って、Tip60によるクロマチンのヒストンのアセチル化あるいはp53そのもののアセチル化が、AICDによるp53の活性化に関与するものと考えられた。今後は、Tip60によるp53のアセチル化の有無およびAICD/p53/Tip60複合体の標的遺伝子の探索を行う予定である。
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Research Products
(4 results)