2007 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロセルピン遣伝子変異による家族性神経変性疾患モデルマウスの分子病態解析
Project/Area Number |
18590285
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平賀 紘一 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40004733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 一郎 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (50250741)
川口 博 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (50361952)
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Keywords | 変異ニューロセルピン / 封入体 / カイニン酸誘導性痙攣 / PAS陽性 / 免疫電顕 / 封入体の形成部位 |
Research Abstract |
1、ニューロセルピン封入体脳症(FENIB)のモデルマウスを樹立するため、患者でもっとも激烈な症状を示し発症が早い原因タンパクであるヒトG392Eニューロセルピントランスジェニック(Tg)マウス系統を樹立し、その免疫化学的、形態学的、及び神経学的性質を調べた。 2、約1年の飼育期間でこのマウスは中枢神経系の殆どの領域の神経細胞に免疫染色により観察できる多量の変異ニューロセルピンを蓄積していた。しかし、予想に反し、これらのマウスは自発的痙攣発作を起こさず、行動学的にも異常は見られなかった。 3、我々が観察できた唯一の神経学的異常は、G392ETgマウスがカイニン酸誘導性の痙攣の潜時の短縮と強度の増加を示したことだけであつた。FENIB患者脳に蓄積する変異ニューロセルピンはPAS染色陽性の蓄積物になるが、我々の研究で使っているマウスはこの性質を表す蓄積物の量が少ないことも特徴だった。 4、これらの観察結果は、G392Eニューロセルピンが細胞内で分解速度が高いか特殊な局在性を持ち、そのため、神経細胞の機能障害が現れにくい可能性を示唆する。 5、最終年度は、これらの点を詳細に調べるため、変異ニューロセルピンの神経細胞内局在を免疫電顕で調べる。得られる結果を元に、神経学的症状の減弱の理由を明らかにする。
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Research Products
(7 results)