2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己DNAによる自然免疫活性化の分子機構とその生理作用
Project/Area Number |
18590292
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川根 公樹 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (60362589)
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Keywords | DNaseII / 自然免疫 / 関節リウマチ / マクロファージ / IFN-β / IRF / 自己免疫疾患 / 造血 |
Research Abstract |
DNaseII欠損マウスでは、分解を免れたDNAがマクロファージに蓄積し、IFN-βが構成的に産生される。その結果、マウスは赤血球造血に異常をきたし、重度の貧血により胎生期で死滅する。DNAの蓄積によってIFN-βが誘導される分子機構を明らかにするため、本年度は、ウイルス感染時などでIFN-βを誘導することが知られている転写因子IRF-3またはIRF-7と、DNaseIIとの二重欠損マウスを交配によって作製し、解析を行った。DNaseII,IRF-3二重欠損マウス及び、DNaseII,IRF-7二重欠損マウスは共に部分的に致死性が解除され、メンデルの法則により期待される数に対して、それぞれ15%、5%の割合で生存して誕生した。それぞれの二重欠損マウスのembryoを解析し、DNaseII単独欠損マウスと比較した。結果、E14.5における胎仔肝臓でのIFN-β遺伝子の発現上昇は、二重欠損マウスで共に部分的に減弱し、E17.5におけるヘマトクリットの値は、共に部分的に回復していた。よって、未分解の自己DNAによるIFN-βの誘導機構に、IRF-3、IRF-7が関与していることが示された。同時に、IRF-3、IRF-7が互いの機能を相補している可能性を強く示唆した。 一方、DNaseIIを生後に欠損させる、誘導型DNaseII conditional欠損マウスは加齢に伴い関節炎を発症する。本年度は、このマウスでの関節炎発症の機構を調べるため、各種免疫要素を欠損する遺伝子欠損マウスとの交配を行い、多重欠損マウスを作製した。これらマウスを今後長期的に観察、解析し、疾患が発症するかどうかを調べることが可能となった。
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Research Products
(6 results)