2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニーマンピックC1タンパク質のユビキチン化に関する研究
Project/Area Number |
18590295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
二宮 治明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (80212124)
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Keywords | ニーマンピック / コレステロール / ユビキチン / プロテアゾーム |
Research Abstract |
ニーマンピックC1蛋白質(NPC1)のプロテアゾーム分解の生化学的機序を解析した。 まず、プロテアゾーム阻害薬MG132に対する種々の変異NPC1の反応性を検討し、野生型と同じ反応を示すことを確認した。このことは、NPC1のユビキチン化とそれに引き続くプロテアゾーム分解は、NPC1の生理機能とは関係なく、その蛋白質の合成過程で生じることを意味する。すなわち、NPC1のプロテアゾーム分解は、エンドゾーム系ではなく、endoplasmic reticulumで生じる。 次に、NPC1の合成過程に関与する分子シャペロンの同定を試みた。COS細胞発現系において、Flag-NPC1はheat shock Protein 70(HSP70),HSP90およびcalnexinと共免沈され、これらのシャペロンがNPC1の合成過程に関与するものと考えられた。 さらに、NPC1をユビキチン化するE3リガーゼの同定を試みた。COS細胞発現系においてFlag-NPC1とCHIP(C-terminus of HSP70-interacting protein)を共発現するとMG132に対する反応性が亢進し、CHIPを阻害するBAG-2の発現により反応性が低下した。これらの結果から、NPC1をユビキチン化する主要なE3リガーゼはCHIPであると結論した。 最後に、ユビキチン化修飾を受けるNPCIのリジン残基の同定を試みた。MALDI-TOF/MASS解析により、NPCIのサイトゾル側に位置する12個のリジン残基のうちK318, K792, K1180の3つがユビキチンのアクセプターになることが予想された。現在、各々のリジン残基を置換した変異体を作製して、この予想を検証している段階である。 今後は、上記結果に基づき、HSP70の発現誘導などの方法により変異NPC1を安定化させ、NPC細胞の表現型を改善できるかどうか検討する予定である。
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