2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590301
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 知己 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 元誉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 研究員 (40398243)
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Keywords | 小胞体ストレス / CHOP / IL-1β / カスパーセ11 / 炎症 / LPS / マクロファージ / BiP |
Research Abstract |
小胞体内での構造異常蛋白質蓄積により誘導される小胞体ストレス経路は、細胞に対する種々のストレスにより誘導され、細胞保護に働く。しかし、それらのストレズが過剰な場合には、アポトーシスが誘導され障害細胞全体が除かれる。これまでに我々は、LPSを気管内投与して作成したマウスの肺の炎症をモデルとして、小胞体ストレス系の炎症病態への関与について解析を行ない、小胞体ストレス-転写因子CHOP経路がカスパーゼ11の誘導を介して、IL-1βの活性化、分泌に働くことを初めて明らかにした。これにより、小胞体ストレス-CHOP経路が、炎症反応の調節に働くことが明らかとなった。しかし、これまで小胞体ストレス誘導性アポトーシスに関与する因子と考えられてきたCHOPが、炎症刺激によって誘導された場合にはアポトーシス誘導に働かず、サイトカイン経路活性化に働く分子機構は明らかではなかった。 本年度は、マクロファージ系培養細胞を使用し、小胞体ストレス-CHOP経路が炎症誘導刺激であるLPSによって誘導された場合と、典型的な小胞体ストレス誘導刺激であるタブシガーギン刺激によって誘導された場合とで、CHOP関連分子の誘導に時間的・量的に差があるかについて検討した。その結果、炎症刺激の場合にはCHOPの誘導が時間的に遅れ、CHOP発現前に小胞体シャペロン等の小胞体機能保護に働く分子群が誘導されていることが見い出された。これに対してタプシガーギン刺激では、CHOPの誘導は早期に認められ、小胞体機能保護機構の準備が整う前にCHOPが発現するため、細胞はアポトーシスをおこすものと考えられた。今後は、さらにより詳細な炎症時における小胞体ストレス-CHOP経路の動態についての解析を進めたい。
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Research Products
(4 results)