2006 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性疾患でのCSD蛋白の発現と分子間ネットワーク
Project/Area Number |
18590307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
内海 健 産業医科大学, 医学部, 講師 (80253798)
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Keywords | 癌 / ストレス / 発現抑制 |
Research Abstract |
CSD(Cold shock domain)ファミリー蛋白は、大腸菌からヒトまで高度に保存された約80アミノ酸からなる核酸結合ドメインをもち、多くの増殖細胞で発現するユビキタス蛋白である。CSDファミリー蛋白は核酸に強く結合し、転写、翻訳調節、RNAの分子Chaperon機能を通じて、細胞の外界ストレスに対する防御基点としての役割が明らかにされつつある。 本研究では(1)YB-1のノックアウトマウスを作製しその機能を明らかにした。ホモのYB-1ノックアウトマウスは胎生致死であった。(2)YB-1の発現はin situ hybridization法によりマウス胎児のほぼ全身に発現していた。(3)YB-1ノックアウトマウスは胎生14〜17日にかけて脳ヘルニアの表現型が認められた。(4)YB-1ノックアウトの線維芽細胞を作製したところ、細胞の増殖が遅延し、フラット状の形状を示した。さらに、YB-1 siRNAを用いた実験でも細胞増殖の遅延を認めた。YB-1siRNA導入により、EF-1の発現が上昇していることを確認した。このことはYB-1が細胞増殖に深く関わることが示唆された。YB-1は翻訳レベルで種々の蛋白の発現に影響を及ぼすことを示唆する。さらに、(5)CSD family遺伝子のdbpCは精巣癌において強く発現していることが明らかになった。これらのことより、がんでのCSDファミリー蛋白が新しい薬剤設計の基盤となる分子標的になりうることが示唆された。
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Research Products
(1 results)