2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における分化異常と遺伝子発現制御異常との関連の分子機序の解明
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18590308
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
長田 啓隆 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子腫瘍学部, 室長 (30204176)
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Keywords | 肺がん / ヒストン修飾 / クロマチン / マイクロRNA |
Research Abstract |
細胞の未分化能維持や分化誘導において、ヒストン修飾によるクロマチン構造制御の重要性が注目されており、特に高悪性度肺癌に見られる神経内分泌分化と遺伝子発現制御異常の関連を、クロマチン構造制御異常から解明することを目指した。神経内分泌分化誘導因子ASH1を肺癌細胞に導入すると、内分泌顆粒等の神経内分泌分化関連遺伝子群が発現誘導されると共に、ペプチドホルモン・サイトカイン・ケモカイン等のシグナル経路の遺伝子が強く発現誘導され、肺癌悪性化への関与が示唆された。実際の肺癌検体の遺伝子発現を検討すると、これらASH1で発現誘導される遺伝子群は、神経内分秘分化肺癌の代表である小細胞肺癌でも高頻度に発現亢進しており、実際の神経内分泌分化肺癌の発症に関与していることが示唆された。このASH1の遺伝子発現制御の分子機序を検討するためにChIP解析を行った所、ASH1による発現誘導される内分泌顆粒遺伝子のプロモーター領域で、ヒストンH3アセチル化の誘導及び転写抑制性修飾H3K27メチル化の消失が検出された。更にChIP-on-chip解析にて網羅的に検討したところ、ASH1により発現誘導される遺伝子群のほぼ全てでH3K27メチル化が著減していた。以上より、ASH1がH3K27メチル化の制御を介して標的遺伝子の発現を制御することが強く示唆され、このようなヒストン修飾の変化によるクロマチン構造制御異常が、神経内分泌分化という分化異常と遺伝子発現制御異常を関連付ける分子機序であることが強く示唆された。又、肺癌おけるmiRNAの発現異常についても検討し、新たに神経内分泌分化に相関して著明な発現亢進を示すmiRNAを見出した。この発現亢進の意義を解明すべく、miRNAの標的候補遺伝子群の発現変動や、miRNAの発現制御機構について検討を進めている。
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Research Products
(15 results)