2006 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴うミトコンドリアゲノムの量的減少の分子基盤
Project/Area Number |
18590317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
西垣 裕 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (80296988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅嗣 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (60155166)
福 典之 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (40392526)
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Keywords | ゲノム / ミトコンドリア / 加齢 / ゲノム定量 |
Research Abstract |
1.【ミトコンドリアゲノムの量的変動と加齢の影響の評価系の確立】本研究は、加齢に伴うミトコンドリアゲノムの量的減少を分析評価することにより、個人の老化度の迅速診断法を開発することを目的としている。一方、ミトコンドリアゲノムの遺伝子多型は母系遺伝し、遺伝的体質や寿命との関係が明らかになっている。したがって双方を解析する事で、個人の遺伝的体質のみならず加齢に伴うミトコンドリアゲノムを網羅的に評価する事が可能である。研究代表者らが開発した競合的定量PCR法を用いたミトコンドリアゲノム定量法は、ミトコンドリアゲノムの核ゲノムとの相対比率を評価することにより、ミトコンドリアゲノムの増減を明らかにできる。今回の研究では唾液から抽出されたDNAを用いた簡便・安価な評価系の開発を目指している。 2.【健康長寿に関連するミトコンドリアゲノム遺伝的背景の解明と研究成果の社会への還元】長寿の遺伝的背景を明らかにするために、共同研究者の田中らは超百寿者のミトコンドリアゲノム全塩基配列を女性96人、男性16人について分析している。同様に超百寿者112人の全塩基配列決定をほぼ完了し、分子系統解析によって、これまでに分析した百寿者を含む日本人672名との比較を行っている。さらに、生活習慣病(2型糖尿病、メタボリック症候群、心筋梗塞、アテローム血栓性脳梗塞など)の日本人患者を含む、各々数千人規模の調査をもとに、生活習慣病に罹患しにくい、あるいはリスクとなるハプログループを同定できた。また、東京都老人総合研究所自立促進と介護予防研究チームとの共同プロジェクトにより、健常高齢男女から適正なインフォームド・コンセントの手続きを経て得られた血液および唾液試料の提供を受け、生活習慣病と関連するミトコンドリアゲノムコピー数および多型を分析する(倫理委員会承認済)。 3.【蛍光ビーズを用いたミトコンドリアゲノム多型の網羅的解析】現在までに日本人672名のmtDNA全塩基配列の分子進化系統解析により、110種類のサブハプログループに分類することができた(田中)。多因子疾患に関与するサブハプログループを同定するためには、数千人を対象とした大規模関連解析を行うことが必要であり、この大規模関連解析には、ミトコンドリアゲノム多型を網羅的かつ迅速に分析するシステムの開発が必須である。共同研究者の田中らは、福島市のG&G Scienceと共同して、蛍光ビーズを利用して160種類のmtDNA多型を迅速に分析するLuminexシステムを完成させた。このシステムを用いることにより、100種の塩基置換の有無を同時に判定することができる。
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Research Products
(7 results)