2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴うミトコンドリアゲノムの量的減少の分子基盤
Project/Area Number |
18590317
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
西垣 裕 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (80296988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅嗣 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (60155166)
福 典之 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (40392526)
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Keywords | ゲノム / ミトコンドリア / 加齢 / ゲノム定量 |
Research Abstract |
1.【mtDNA多型および変異の網羅的解析】多因子疾患に関与するmtDNA多型を同定するためには、数千人を対象とした大規模関連解析を行うことが必要であり、mtDNA多型を網羅的かつ迅速に分析するシステムの開発が必須である。また、多数存在するmtDNA病因変異は、ミトコンドリア病のみならず、糖尿病などの生活習慣病の原因になり、さらにその変異率の量的変化は、直接的・間接的に寿命に影響する。したがって、蛍光ビーズを利用してmtDNA多型と病因変異を迅速に分析するLuminexシステムを開発中である。 2.【健康長寿に関連するmtDNA遺伝的背景の解明】東京都老人総合研究所自立促進と介護予防研究チーム(吉田英世専門副部長)「お達者健診」における、約500人の健常高齢男女、また、社会参加とヘルスプロモーション研究チーム(新開省二研究部長)の群馬県吾妻郡草津町における65歳以上の住民を対象とした介護予防健診「にっこり健診」650人から、それぞれ適正なインフォームド・コンセントの手続きを経て血液試料ならびに関連情報を収集した。現在、糖尿病・メタボリック症候群・脳梗塞・心筋梗塞・慢性腎臓病などの生活習慣病と、それらに関連するmtDNAおよび核DNA多型を分析中である。(老人総合研究所倫理委員会にて承認済み)また、三重大学山田教授と共同で生活習慣病の疾患群を対象に核ゲノム多型を評価している。 3.【ミトコンドリアDNAの加齢の影響の評価系の確立】加齢に伴うミトコンドリアDNA(mtDNA)の減少の迅速診断法を開発することを目的とした。一方、mtDNA多型や病因変異は一般的に母系遺伝し、遺伝的体質や寿命との関係が明らかになっている。したがって双方を解析する事で、個人の遺伝的体質のみならず加齢に伴うmtDNAを網羅的に評価する事が可能である。研究代表者らが開発したmtDNA定量法は、mtDNAの核DNAとの相対比率を評価することにより、mtDNAの増減を明らかにできる。
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Research Products
(15 results)