2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵管癌の早期診断法開発を目指した前駆病変の病理学的検討
Project/Area Number |
18590322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福嶋 敬宜 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40384937)
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Keywords | 病理学 / 膵癌 / 前駆病変 |
Research Abstract |
本研究課題では,膵管癌の分子診断法の確立を目指して,膵管癌の前駆病変として有力視されるようになってきた膵上皮内腫瘍性病変(pancreatic intraepithelial neoplasia, PanINs)、腺房細胞の膵管上皮化生について(acinar-to-ductal metaplasia, A-DM),膵管癌との関連を明らかにすることを目的として解析を行っている。 昨年度は、膵切除病理標本(膵管癌症例、その他の膵腫瘍症例、慢性膵炎症例)の病理組織学的レビューを行い、PanINsとductal metaplasiaの発生頻度やその関係について検討してきた。その結果、PanINは膵管癌切除例の背景膵に29%(20/70例)に見られたが、そのほとんどはlow grade PanINsであった。A-DMは、形態的に明らかと考えるものは16%(11/70例)の症例にしか見られなかったが、判定に迷う症例がそれ以上の症例に見られた24%(17/70例)。浸潤癌の先進部や癌浸潤のための閉塞性慢性膵炎の部ではしばしば腺房細胞は脱落し一方でA-DM様の変化を伴ってくるため、膵癌発生の背景病変としてのA-DMの同定、解析を行うためには組織判定基準の設定が必要と考えられた。A-DMの同定に有効な免疫組織化学的マーカー(CD56,CK19,Pdx1,MMP7)についてもその有用性についての検討を行っている。さらにPanINsや膵管癌と密接な関連が想定される膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm, IPMNs)についてもその発育進展等に関する解析を行っている。
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Research Products
(4 results)