2006 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍幹細胞を規定する因子の解析;腫瘍幹細胞の可視化を目指して
Project/Area Number |
18590329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森井 英一 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (10283772)
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Keywords | 腫瘍幹細胞 / 免疫組織化学 / 遺伝子発現機構 |
Research Abstract |
腫瘍幹細胞の可視化を目指し、細胞株の中で幹細胞が多く含まれていることがわかっている画分であるside-populationを様々な乳癌細胞株より単離し、side-population特異的に発現が亢進している遺伝子としてCD55を発見した。CD55を高発現する細胞は細胞死に対する耐性が高く、腫瘍形成能力も高いことを見出している。現在CD55を高発現する細胞を種々の腫瘍組織で免疫染色により検出しており、その頻度と予後との関係を検討中である。この他にもside-population特異的に発現の亢進する遺伝子をいくつか同定しており、その機能を解析中である。また、幹細胞に高発現するレセプター型チロシンキナーゼであるCDCP1の遺伝子発現機構、および発現意義も解析した。乳癌の検体におけるCDCP1の発現を免疫染色により検討した結果、CDCP1を発現する腫瘍細胞は増殖力が高いことがわかった。CDCP1遺伝子はzinc finger型転写因子であるzfp67により発現が正に制御されているが、プロモーター領域が高頻度にメチル化されている時には、zfp67のプロモーター領域へのリクルートが抑制されており、CDCP1遺伝子の発現は認められなかった。CDCP1遺伝子を発現しない細胞株でも、脱メチル化剤を作用させると発現が回復すること、in vitro methylationを行ったCDCP1プロモーターはその活性を認めないことからも、CDCP1遺伝子の発現調節機構にはエピジェネティックな機構が関与することが示唆された。
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