2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝組織/細胞のC型肝炎ウイルス感染感受性に関する組織病理学的検索
Project/Area Number |
18590338
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊倉 義弘 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (00240953)
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Keywords | 肝細胞脂肪化 / ペリリピン / アディポフィリン / 風船様変性 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
インターフェロンを基軸として開発が進められたC型肝炎に対する抗ウイルス療法は、治療法としてすでに確立された感があり、その点ではC型肝炎は完全治癒を強く期待し得る疾患へと変容しつつある。しかしながら同時に残された課題も明確になってきた。他の感染症と同様、endemicのコントロールは、感染患者を一人でも多く感染状態から離脱させ、治癒に導くことである。感染ウイルス側のfactorのみを考慮して開発・確立された治療法には限界があり、治療抵抗性の発生を完全に回避することは出来ない。またウイルスの陰性化を得たにもかかわらず、病理組織学的には炎症および線維化が遷延し、さらに肝細胞癌の発生をみることもある。これらの事実は、ウイルス因子に偏重していたこれまでとは治療方針および研究の視点を変え、宿主因子側から検討する必要性があることを意味している。 C型肝炎ウイルスが発見された比較的早期から、病理学的手法により、患者側の因子の検討が重要であることを継続的に示してきた。インターフェロン療法に影響をおよぼしうる組織学的因子として肝細胞の脂肪化は広く知られるところであり、ウイルス感染の成立そのものにも、肝細胞脂肪化が関連していることが示されてきている。平成19年度の本研究においては、肝細胞脂肪化メカニズムそのものを、さらに掘下げて検索することとした。結果として、肝細胞の脂肪化にはペリリピン、アディポフィリンなどの、PATファミリー蛋白として分類される脂肪滴随伴蛋白が関与することを明らかとなった。さらに脂肪化による肝傷害を特徴付ける肝細胞の風船様変性においては、アディポフィリン発現と過酸化脂質の局在が同時に観察され、脂肪蓄積に関連して生じる酸化ストレスが肝臓の臓器傷害プロセスに重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)