2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590342
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
井村 穣二 Dokkyo Medical University, 医学部, 准教授 (80316554)
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Keywords | 癌 / 病理学 / 遺伝子 / 臨床 / 転移 |
Research Abstract |
我々は前年度において,膜蛋白であるCXCR4が食道癌細胞の細胞膜のみならず核にも発現することCXCR4核陽性像を示す食道癌患者群は,示さない群に比べて有意に予後が悪いことを示した.また,CXCR4シグナルとクロストークするEGF受容体も食道癌細胞の細胞膜のみならず核にも発現することを見出し,EGF受容体核陽性像を示す食道癌は有意にリンパ節転移を生じ,予後が不良である結果も示した.そこで本年度は,CXCR4の核発現を規定する因子の検討を行った.これまでの知見では,CXCR4の細胞膜における発現が低酸素刺激によって増強することが報告されている.実際我々もT.Tn食道癌細胞を低酸素刺激したところ,細胞膜のCXCR4発現は増強した.しかしながら一方で,核のCXCR4発現は低酸素刺激で減弱すること見出した.現在,食道癌細胞細胞におけるCXCR4発現局在の変化が癌細胞の接着能および浸潤能に関与するのではないかと考え,T.Tn細胞から樹立された接着能の強いT.Tn-AT細胞と浸潤・遊走能の強いT.Tn-Mgr細胞を用い,低酸素刺激によるCXCR4細胞内発現局在の変化と細胞機能の関係について解析中である.我々は以上の検討に加えて,CXCR4のリガンドであるSDF-1aの発現を食道癌組織において免疫組織化学的に検討したところ,食道癌先進部においてCXCR4が核発現する食道癌ではSDF-1aが高頻度に発現した.この結果から,SDF-1αがCXCR4の核発現に関与している可能性も考えられた.この研究成果は現在投稿準備中である.
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Research Products
(8 results)