2006 Fiscal Year Annual Research Report
CD30とP80によるホジキン病と未分化大細胞型リンパ腫発症の分子機構の解析
Project/Area Number |
18590345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀江 良一 北里大学, 医学部, 助教授 (80229228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 正明 北里大学, 医学部, 教授 (80165084)
渡邊 俊樹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30182934)
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Keywords | Hodgkinリンパ腫 / 未分化大細胞型リンパ腫 / NF-kB / NPM-ALK / P80 / JunB |
Research Abstract |
(1)CD30過剰発現の分子機構の解析 我々はCD30過剰発現誘導にはJunBが誘導され、CD30プロモーター活性を高めることが重要であることをHodgkinリンパ腫(HL)において明らかにしている。ALCL細胞株でのCD30プロモーター制御機構をHLと対応させながら以下の点を中心として検討した。(a)CD30プロモーターの構造解析:ALCL細胞株においてHLと同様にMicro Satellite(MS)領域の短縮は認められなかった。(b)ウエスタンおよびノザン法による解析:ALCL細胞株ではHLと同様にJunBが強く発現していた。(c)ゲルシフトアッセイ法によるAp-1結合能の検討:ALCL細胞株ではHLと同様に強いAp-1活性を認め、構成成分はJunBであった。以上より、ALCL細胞株ではHLと同様にJunBを介してCD30プロモーターが活性化し、CD30の過剰発現を誘導していると考えられた。 (2)CD30過剰発現Tリンパ腫にP80NPM-ALKを導入してALCL様特徴が誘導された時、すなわちNF-kBからALKにシグナルが変換する際の生じるシグナルの変化 CD30過剰発現Tリンパ腫T-HL、ALCLにレトロウイルスに組み込んだp80NPM-ALK導入、プロテオミクスの系にて解析した。解析はProQおよびSYPROによるリン酸化状態の変化、蛋白質発現量の変化の検討により行う。細胞はT-HL細胞株であるL540、HDLM2にNPM-ALKをレトロウイルスで導入したものを用いた。まずタンパク質の発現量の変化を指標にして解析をすすめ、p80NPM-ALKの下流に存在しALCLへ転換時に変化する分子を選び蛋白配列からライブラリをコンピュータにて解析同定した。現在までに約20個の蛋白質を選択し、その一部を同定した。さらにリン酸化の変化もあわせて次年度に検討する予定である。
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