2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590359
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
竹下 淳 国立長寿医療センター, (研究所)・運動器疾患研究部, 室長 (50263009)
|
Keywords | 骨代謝 / 骨粗鬆症 / 骨吸収 / 骨形成 |
Research Abstract |
骨リモデリングを制御するカップリング因子を"活性化破骨細胞が産生し、骨芽細胞に働き、骨形成を誘導する因子"と仮定し、活性化破骨細胞で特異的に発現誘導する遺伝子をマイクロアレーで検索し、骨芽細胞に及ぼす機能を解析することにより、カップリング因子の同定を試みている。 マクロファージ、プレ破骨細胞、プレート上非活性化成熟破骨細胞、及び象牙片上活性化破骨細胞からRNAを調整した。マイクロアレーにより約5万の遺伝子をスクリーニングし、活性化時に特異的に発現誘導する13個の遺伝子を見出した。これらの遺伝子全てに於いて特異的オリゴプライマーを合成し、RT-PCR法により4つの破骨細胞分化段階での発現を調べた。その結果、分泌型タンパクとして機能すると考えられる8つの遺伝子を見出した。これらの中で、Cthrc1(collagen triple helix repeat containing-1)は活性化時において非活性化時と比較すると13倍に発現上昇することが分かった。そこで、完全長cDNAクローニングを行い、レトロウィルス発現系を用いて骨芽細胞で発現させ、その遺伝子がコードするタンパク質の骨形成誘導能を調べたところ、Cthrc1に骨芽細胞分化誘導能があることが分かった。Cthrc1はコラーゲン様構造と補体C1qに類似した構造を有したユニークなタンパク質であり、現在注目されているアディポネクチンと構造上類似していることが分かった。バキュロウィルスを用いた発現系においてリコンビナントCthrc1を発現・精製し、骨芽細胞に添加したところ骨形成を促進した。一方、レトロウィルス発現系においてマクロファージで過剰発現させ、破骨細胞分化能を調べたところ、破骨細胞の最終分化である細胞融合を阻害した。これらのことから現在のところカップリング因子の最有力候補と考えている。そこで、現在、リコンビナントを用いた抗体作成、全身で過剰発現するトランスジェニックマウスの作成、及びコンディショナルノックアウトマウスの作成を試みている。
|