2006 Fiscal Year Annual Research Report
Bad siRNA deliveryによる肝虚血-再潅流傷害の抑制
Project/Area Number |
18590361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
榎本 克彦 秋田大学, 医学部, 教授 (20151988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 祐司 秋田大学, 医学部, 助教授 (90208166)
大森 泰文 秋田大学, 医学部, 講師 (90323138)
吉岡 年明 秋田大学, 医学部, 助手 (80302264)
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Keywords | 肝類洞内皮細胞 / アポトーシス / Bad siRNA / 肝虚血-再灌流傷害 |
Research Abstract |
本研究の目的はin vivo Bad siRNA delivery法の開発とそれを用いたラット肝虚血-再灌流傷害の抑制効果の検討である。 平成18年度に、蛋白チロシン脱リン酸化酵素阻害剤であるオルソバナジン酸がBad Ser-112およびSer-136のリン酸化状態を維持することによりin vitroおよびin vivo肝類洞内皮細胞のアポトーシスを阻害することを明らかにし報告した(Ohi N et al.,Am J Pathol,168:1097-1106,2006)。 平成18年度は研究計画に従って以下の実験を行った。 1)ラット虚血-再灌流傷害モデルの確立 生体内siRNA deliveryのための手術侵襲を考慮し、ラットに負荷のかからない肝虚血-再灌流モデルについて検討した。その結果、1時間の部分虚血と2-3時間の再灌流により、評価にあたって適正な程度の肝傷害が誘導されることを確認した。 2)siRNA delivery担体試薬の検討 予備的な実験として担体試薬としてatelocollagenが有効であるか否かを検討した。細胞内取り込みを検討するためGFP発現ベクターpCAGGSとatelocollagenを種々の濃度で混合し、培養SECへの取り込みと経門脈的に肝への注入と取り込みの効率を検討した。その結果、atelocollagenを担体試薬として用いた場合は培養細胞および肝構成細胞中にはGFPのシグナルは蛍光あるいは免疫染色によってもほとんど観察できないことが判明した。現在、他の担体試薬について検討中である。 以上の結果を踏まえ、平成19年度は他の担体試薬のさらなる検討とともにSEC特異的に発現する受容体を介するsiRNA delivery方法についても検討を加える。また、Badのみならずアポトーシス関連カスペースsiRNAの導入による肝傷害の抑制についても検討を試みる。
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