2006 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたADAMTS-1の皮膚損傷治癒過程における役割の解析
Project/Area Number |
18590365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助教授 (40242565)
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Keywords | ADAMTS / メタロプロテアーゼ / 損傷治癒 |
Research Abstract |
我々はこれまでにADAMTS-1遺伝子欠損マウスの解析から、ADAMTS-1が腎孟銀箭移行部組織の構築と機能、排卵過程、卵胞生育過程、卵巣髄質血管網の構築等に関わることを明らかにしてきた。またADAMTSlは炎症時にその発現が誘導される遺伝子であることから、炎症過程にも関わる可能性が考えられる。皮府損傷治癒過程は、炎症期、増殖期、成熟期の3つの段階からなっており、炎症反応を含む連続的な組織の修復過程であることから、今回、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスを用いて、ADAMTS-1が皮膚損傷治癒過程に関与しているかどうか検討を行った。実験としては8-12遺命のADAMTS-1遺伝子欠損マウスおよびコントロールマウスの背部の皮膚に、生検トレパンを用いて直径4mの打ち抜き損傷を作製し、経時的に撮影を行って損傷部位の面積を算定し、治癒過程の進行度に違いがあるか調べた。その結果、コントロールマウスでは、損傷作製後3日目、6日目と徐々に損傷部が縮小していく様子が観察された。これに対してADAMTS-1遺伝子欠損マウスでは、損傷作製後3日目から、コントロールマウスと比較して治癒過程の遅れが認められはじめ、損傷作製後6日巨では、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスにおける治癒過程の遅延は、さらに拡大することがわかった。このようにADAMTS-1遺伝子欠損マウスでは、損傷治癒に全体的な遅延が認められることから、ADAMTS-1が皮膚損傷治癒過程に必須であることが示唆された。
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