2007 Fiscal Year Annual Research Report
キメラマウスによる多機能ペプチド、アドレノメデュリンと関連因子の全組織包括的解析
Project/Area Number |
18590366
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
桜井 敬之 Shinshu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80317825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 隆行 信州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90345215)
佐藤 正宏 鹿児島大学, 研究推進センター, 教授 (30287099)
下澤 達雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90231365)
永谷 憲歳 国立循環器病センター研究所, 先進医学工学センター, 部長 (60372116)
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 所長 (00112417)
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Keywords | アドレノメデュリン / 受容体修飾因子 / 血管作動性ペプチド / キメラマウス / 疾患モデル動物 / 脈管形成 / 血管新生 |
Research Abstract |
強力な血管拡張降圧作用を持つ血管作動ペプチドとし発見されたアドレノメデュリン(AM)は抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、血管新生など多彩な生理活性を合わせ持つ。本研究では、キメラマウス法を用いて、従来、マウスAMヌル胚が胎生致死となるため不可能であった個体および各臓器におけるAMの機能とその受容体修飾因子であるRAMP2を病理学的に解析することを目的としている。 LacZ遺伝子を交配導入したAM遺伝子欠損系統およびRAMP2遺伝子欠損系統とB6系統マウス間で集合胚キメラを作成し、AMおよびRAMP2ヌル細胞を持つキメラ胚を得た(遺伝子型判定は、我々が開発したRealTimePCR-Genotyping法を用いた(Sakurai et al.,2008))。同キメラ胚は、少なくとも14.5-16.0日胚まで生存しており、ヌル胚で完全に致死にいたる13.5-14.5目胚を越えて生存できる胚が出現した。しかしながら成体キメラを得ることは出来なかった。得られたキメラ胚はLacZ染色および各種の特異的抗体(特に血管、リンパ管内皮細胞マーカー)を用いた蛍光免疫染色で解析を実施した。その結果、AMおよびRAMP2キメラ胚ともヌル細胞の寄与の高い器官では血管、リンパ管形成が脆弱である傾向が観られ、胚発生が進むと共にそれが臓器機能の破綻となり、致死にいたると思われた。キメラ胚の生存の延命は、寄与する正常細胞による脈管形成の改善のためと思われる。我々が報告(Ichikawa-Shindo et al.,2008)してきた知見を加味すると、AMおよびRAMP2の主要な機能は血管、リンパ管新生にあり、さらにそれは各臓器における正常な脈管形成にも必須であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)