2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎ネフロン特異的HGF受容体ノックアウトマウスを用いた腎再生分子機構の解析
Project/Area Number |
18590369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 信哉 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (10219644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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Keywords | HGF / c-Met / 腎ネフロン / 腎再生 / 腎疾患 / 分子機構 / 腎保護作用 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
*研究背景と当初計画: HGF中和抗体およびCre-LoxPシステムを応用したノックアウトマウスを用い、腎傷害時に誘導されるHGFシグナルが腎再生機構の主翼を担うとの仮説のもとに以下の研究成果を得た。 1)急性腎不全マウスにHGF中和抗体を投与し、c-Metシグナルが尿細管修復に必須である事、上皮再生を加速させると骨髄細胞動員が低下する事を実証した(Am-J-Physiol,2008)。 2)胆管結紮マウスに見られる肝炎修復および腎成長に対し、HGF中和抗体は肝細胞と尿細管上皮の増殖を阻害する事で病態を悪化させた(Li-Z, Mizuno-S, et. al., Am-J-Physiol, 2007)。 3)クラッシュ症候群から急性腎不全を惹起するラットにHGF中和抗体を投与すると、尿細管再生不良と炎症増悪が観察された(Homs-E, et. al., Exp. Nephron 107: e95, 2007)。 4)Cre-LoxPシステムを用いてポドサイト特異的c-Met欠損マウスを作成した。このマウスは発生の過程で蛋白尿を発症せず、腎機能も健全に保たれていた。そこで、このノックアウトマウスに蛋白尿を惹起するある薬剤Xを投与したところ、ワイルドタイプと比較して蛋白尿/ネフローゼ状態が悪化する傾向が認められた。
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