2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元管腔培養における信号伝達のFRETプローブによる可視化
Project/Area Number |
18590370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清川 悦子 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80300929)
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Keywords | FRET / 3次元 / 低分子量G蛋白質 / 生細胞 / 管腔 |
Research Abstract |
FRETプローブを1週間程度MDCK細胞で発現させるためにレトロウイルスで感染可能なプラスミドを構築した。以前のプローブは、アクチンプロモータ下で「YFP-低分子量G蛋白質-活性化型G蛋白質に特異的に結合する分子-CFP」をひとつのプラスミドで発現させるようにしていたが、YFP・CFPともに、オワンクラゲのGFPに変異を導入したものであるため相同性が高く、ゲノムにインテグレートされる際にどちらかが脱落するため2つの蛍光蛋白質を恒常的に発現する細胞株を得ることが出来なかった。CFPの代わりにアザミサンゴから単離されたアザミグリーンの変異体を用いたが、蛍光が弱く現行の顕微鏡セットでの観察は不可能であった。そこで、ウミヅタ由来のTFPという蛍光蛋白質をCFPと置換してRasのFRETプローブを改変したところ、HeLa細胞で2つの蛍光蛋白質を恒常的に発現する細胞株を樹立できた。Rhoファミリー低分子量G蛋白質の活性化分布測定できるFRETプローブ群の改変も行なった。RhoA・Rac・Cdc42プローブはCFPをTFPに代替しても細胞内での増殖因子に対する反応、細胞移動の際の活性化パターンは変わらないことを確認した。現在はこれらプローブを発現するMDCK細胞群を樹立している。また、イノシトールリン酸群の分布を観察出来るFRETプローブ群も作製し、細胞極性を形成する2次元培養での分布を観察した。これらのプローブも同様にCFPをTFPに置換したプローブを完成させ、現在細胞株の樹立をしている。今後、樹立した細胞株を用いて3次元管腔培養を行なう予定であり、極性形成の過程を総括的に観察する基盤が整ったといえる。
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