2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄微小環境での破骨細胞分化因子受容体(RANK)発現調節と破骨細胞分化の解析
Project/Area Number |
18590372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北澤 理子 神戸大学, 大学院医学研究科, 講師 (00273780)
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Keywords | 破骨細胞 / RANK / RANKL / 骨芽細胞 / 遺伝子プロモータ / サイトカイン |
Research Abstract |
破骨細胞形成には、骨髄微小環境における破骨細胞前駆細胞と骨芽細胞/骨髄間質細胞との相互関係が不可欠である。骨芽細胞/骨髄間質細胞が供給する破骨細胞分化因子(Receptor activator NFkB ligand ; RANKL)が破骨細胞前駆細胞の受容体RANKに結合することにより、RANKL-RANK signalingを介して、破骨細胞分化と骨吸収機能に不可欠な、遺伝子の転写がおこる。私どもは、従来よりRANKL遺伝子発現制御に関する研究を行ってきた。平成18年度は、特に、マウスRANKL遺伝子プロモータ領域のTATA-box近傍のCpGメチル化を介する転写抑制機構についての解析を行った。培養細胞を用いたCHIP assayと、同部位の合成オリゴヌクレオチドをもちいたゲルシフトアッセイにより、in vitroでTATA-box近傍のCpGメチル化部位にメチル化シトシン結合蛋白(MeCP2)結合をきたし、これによりTATA-boxでのTBP結合が阻害されて遺伝子転写が抑制されることを証明した。さらに、マウス正常臓器におけるRANKL発現とCpGメチル化の解析により、TATA-box近傍のCpGメチル化による転写抑制機構が、臓器特異的なRANKL発現に関与する可能性を示した。これらの成果は、欧文誌(Molecular Endocrinology 21 ; 148-158)に報告するとともに、日本病理学会、日本骨代謝学会、米国骨代謝学会議にて報告した。 一方、破骨細胞側の受容体RANKの発現制御機構に関して、遺伝子プロモータ領域の解析を行った。マウスBAC cloneより制限酵素処理とPCR法にてマウスRANK遺伝子プロモータ領域をクローニングした。5'RACE反応を行い、転写開始部位を同定するとともに、プロモータ領域をpGL3 vectorに導入して、promoter-reporter constructを作製して、転写活性を検討した。マウスRANK遺伝子プロモータ領域には、主たる結合配列として、血球系細胞の分化に重要な転写因子PU.1、MITFの結合部位が見い出された。培養細胞RAW264.7細胞への遺伝子導入実験では、PU.1、MITFの発現Vectorの共発現により、RANK転写活性が増加することを証明した。
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Research Products
(7 results)