2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄微小環境での破骨細胞分化因子受容体(RANK)発現調節と破骨細胞分化の解析
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18590372
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北澤 理子 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 講師 (00273780)
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Keywords | 破骨細胞 / RANK / RANKL / 骨芽細胞 / 遺伝子プロモータ / サイトカイン |
Research Abstract |
骨髄微小環境においては、骨芽細胞/骨髄間質細胞が供給する破骨細胞分化因子(Receptor activator NFkB ligand; RANKL)が破骨細胞前駆細胞の受容体RANKに結合することにより、RANKL-RANK signalingを介して、破骨細胞分化と骨吸収機能に不可欠な、遺伝子の転写がおこる。私どもは、従来よりRANKL遺伝子発現制御に関する研究を行ってきた。平成19年度は、特に、RANKL遺伝子プロモータ領域のRunx2結合配列とVDREを介する転写促進機構についての解析を行い、Runx2はクロマチン凝集に関与してRANKL転写を抑制する一方で、vitamin D3がRunx2やHDAC3を抑制してクロマチン開離に至ると、近位プロモータの結合部位に作用して転写促進に働くという2段階の機序を明らかにした。これらの成果は、第96回日本病理学会、第25回日本骨代謝学会、第29回米国骨代謝学会議にて報告するとともに、欧文誌(Experimental Cell Research)に投稿準備中である。一方、破骨細胞側の受容体RANKの発現制御機構に関して、遺伝子プロモータ領域の解析を行った。マウスRANK遺伝子プロモータ領域をクローニングし、プロモータ領域をpGL3 vectorに導入して、promoter-reporter constructを作製して、転写活性を検討した。マウスRANK遺伝子プロモータ領域には、主たる結合配列として、血球系細胞の分化に重要な転写因子PU.1、MITFの結合部位が存在し、培養細胞RAW264.7細胞への遺伝子導入実験では、PU.1、MITFの発現Vectorの共発現により、RANK転写活性が増加することを証明した。またこれらの部位に変異を導入して転写活性への影響を検討した。これらの成果も内外の学会で発表した。
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Research Products
(5 results)