2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外基質蛋白SPARCの発現制御による高悪性度腎癌の実験的治療法確立
Project/Area Number |
18590376
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
長嶋 洋治 Yokohama City University, 医学研究科, 准教授 (10217995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (00260787)
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Keywords | SPARC / siRNA / 腎癌 / 実験的治療 / 浸潤転移 |
Research Abstract |
腎癌は複数の組織亜型からなり,おのおの異なる分子生物学的異常を有し,予後は大きく異なる.約半数の症例は早期のうちに発見、切除され予後は良好である.しかし,類肉腫型腎細胞癌や,浸潤性の強い集合管癌は根治的切除が困難で、再発転移病巣に対する有効な補助療法は確立されていない. 本研究では,研究期間(平成18-19年度)内に,細胞外基質蛋白質SPARC(Secretory Protein Acidic and Rich in Cysteine)を治療標的分子とし,small interfering RNA(以下,siRNA法)による遺伝子発現抑制を行い,腫瘍の進展を抑制し,分子標的治療法の確立を目指した.21塩基対の二本鎖RNA(dsDNA)をSPARC mRNA配列中転写開始部位から塩基のAA以降の配列にあわせ合成し、これに相補的な二本鎖RNA(dsRNA);SPARC262:5'-AAAATCCCTGCCAGAACCACC-3'SPARC402:5'-AACAAGACCTTCGACTCTTCC-3'および5'-GUUAUGUUAAGAUUACUAAAA-3'を用いてリポフェクトアミンによる導入を行い、SPARC遺伝子の発現を抑制を試みた.腎癌培養細胞株4株中2株でSPARCのノックダウンが見られたが増殖抑制は得られなかった.現在,in vitroにおけるコロニー形成能や血清依存性について検討を行ったが、有意差は見られなかった.ヌードマウスにおける造腫瘍性はSPARCのノックダウンによって抑制を受けなかった。SPARCの腫瘍性についての効果は各種癌でその効果が一定していない。腎細胞癌では治療標的としての可能性が低いと考えられた。並行して検討している他の癌での効果に期待したい。
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