2006 Fiscal Year Annual Research Report
Birt-Hogg-Dube症候群原因遺伝子(BHD)の腫瘍抑制機能の解明
Project/Area Number |
18590380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小林 敏之 順天堂大学, 医学部, 講師 (40260070)
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Keywords | 腎癌 / Bhd / Nihonラット / Tsc2 / Ekerラット / 動物モデル / mTOR / リン酸化 |
Research Abstract |
本年度は、Bhd発現系を導入したNihonラット由来Bhd欠損腎腫瘍細胞の表現型の変化について、さらに検討を進めた。(1)Bhd発現により、JNKの活性化が亢進していることが示唆された。(2)細胞密度が高い状態で培養を継続したところ、Bhd非発現細胞の方が細胞の多層化が顕著であった。遺伝子発現関連では、調べた限りにおいてはBhd発現によって特異的に変化している遺伝子はこれまでのところ見出していない。一方、HeLa細胞を用いてsiRNAによるBHD発現抑制を行ったところ、最も顕著な変化としてS6K1リン酸化の抑制が認められた。現在これらの表現型を生ずる分子基盤の解明を進めている。Bhdのリン酸化については質量分析と部位特異的変異の導入、リン酸化配列特異抗体により、一つのリン酸化部位を確定した。強制発現系においてはこのリン酸化によって局在に著しい変化が生ずることはなく、また最近報告されたBhd結合タンパク(Fnip1)との結合能を失うことはなかった。また、EkerラットのTsc2欠損腎癌細胞株においてラパマイシン処理を行い、リン酸化によるBhdのバンドシフトの様子が変化することを見出した。またTsc2欠損腎癌細胞にTsc2発現系を導入した細胞においてもバンドシフトの変化が観察されたことからBhdとTsc1/Tsc2の関与する経路に関連があることが示唆された。さらにリン酸化とFnip1の関連を調べる過程で、Fnip1遺伝子に相同性を示す新たな遺伝子(FnipL)を見出した。強制発現系を用いて調べたところ、FnipL産物もBhdと結合することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)