2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌遺伝子hWAPLの生理的機能の解明及び診断と治療への応用
Project/Area Number |
18590382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
及川 恒輔 東京医科大学, 医学部, ポストドクター (70348803)
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Keywords | 子宮頸癌 / hWAPL / 分子標的療法 |
Research Abstract |
1.hWAPLの発現量を指標とした新規子宮頸癌診断法の開発 多くの細胞診検体で検討した結果、real time PCRに用いる最適のprimer配列やPCR条件が確立されつつあるが、一方、検体ごとに、hWAPL mRNAの5'-末端領域の塩基配列に極めて多彩なヴァリエーションがあることが分かってきた。従って、多様性のある5'-領域の配列が悪性度を反映している可能性も考えられる。そこで現在は、入手できた全ての細胞診検体由来のtotal RNAよりhWAPLの5'-末端領域のクローニングを行い、その病期と塩基配列との相関を解析中である。 2.子宮頸癌の新規分子標的療法の開発 もし上述の癌特異的なN-末配列が同定できるとすれば、その配列は分子標的療法の標的部位として、その有効性に大いに期待が持てる。従って、上記研究と併せて検討中である。 3.hWAPLの生理的機能の解明 最近Kuengら及びGandhiらにより、hWAPLがコヒーシンとクロマチンの結合を制御することが、それぞれCell誌及びCurrent Biology誌に報告された。また、我々も、WAPLの過剰発現が染色体不安定性を引き起こすことを報告した(Ohbayashi et al., Biochem.Biophys.Res.Commun.,2007;356:699-704)。従ってhWAPLは特に細胞分裂期前期において重要な役割を果たしているといえる。今後さらに、hWAPL欠損マウスの卵の発生における細胞分裂関連分子の動態の観察などを通じてhWAPLの生理的機能を詳細に検討していく。
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Research Products
(2 results)