2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌遺伝子hWAPLの生理的機能の解明及び診断と治療への応用
Project/Area Number |
18590382
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
及川 恒輔 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (70348803)
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Keywords | hWAPL / スプライシングバリアント / HPV / 子宮頸癌 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
1.hWAPLの発現量を指標とした新規子宮頸温診断の開発 実際に臨床応用まで視野に入れるためには、高感度で定量性の高い系を開発する必要がある。ここまでの研究で、細胞診検体のRNAに対する最適の定量的real time PCRの系が確立されつつあるが、未だに一部のサンプルに対しては定量性が低い増幅を示すことがあり、現在、さらに検討を進めている。一方、hWAPLは、HPVのE6、E7癌タンパク質によって発現誘導されるため、検体が感染しているHPVのサブタイプを簡便に決定するシステムを構築した。さらに、後述のようにhWAPL mRNAの5'-末端領域の塩基配列には極めて多彩なバリエーションがあったため、病期とhWAPL mRNAの5'-末端の塩基配列と発現状況、及びHPVのサブタイプそれそれの相関を検討したが、5'末端配列の多様さに比べて解析が済んだ症例がまだまだ少ないため、現在、さらに多くの検体に対して検討を進めている。 2.子宮頸癌の新規分子標的療法の開発 hWAPL特異的siRNAを用いた分子治療を開発する場合、HPVを標的とする揚合と違って多様なサブタイプを考慮しなくて良いが、その反面、hWAPLは成育に必須な遺伝子であると考えられるため、siRNAの投与法や適性量などの厳密な検討が必要となってくる。また、siRNAはoff targetの問題もあるため、siRNAの塩基配列の再検討も含め、現在精密な検討を進めている。 3.hWAPLの生理的機能の解明 本研究で、hWAPLの過剰発現時に多核化及び核DNA損傷を伴った染色体不安定性が誘導されることを明らかにした。従ってhWAPLの適正な発現が正常な細胞周期制御に必須であると想定される。さらに、上述のようにhWAPLには多数のスプライシングバリアントが存在することを発見した。その発現状況が組織によって大きく異なることから、hWAPLを介した細胞内制御系は、極めて複雑精巧に行われている可能性が考えられる。今後、さらに検討するサンプルを増やしていくことで、hWAPLの各バリアントの機能の違いを明確にしていく。
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Research Products
(7 results)