2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリメラーゼイオタ欠損マウスの作製とその肺発がん感受性の解析
Project/Area Number |
18590384
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
李 康弘 Kochi University, 医学部, 教授 (10261405)
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Keywords | 肺発がん / 抵抗性遺伝子 / Poli / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
我々が発見したマウスの肺発がん抵抗性遺伝子座 Par2 (Pulmonary adenoma resistance 2)は第18番染色体上に存在し、多遺伝子支配下にある遺伝的肺発がん感受性を修飾する主要因子の一つとして働く。これまでの研究により、Par2の有力な候補遺伝子としてPoliを同定することができた。PoliはDNA損傷乗越え能力を有するDNAポリメラーゼをコードしており、発がん物質等によって損傷を受けたDNAの複製や修復に関与しているものと考えられる。このポリメラーゼのアミノ酸多型による機能変化が、肺発がんの第一段階であるイニシエーションの効率に影響するものと推測される。事実、Par2は二段階発がんにおけるイニシエーション感受性を支配することが、我々の研究で明らかになっている。 Par2の責任遺伝子がPoliであることを直接証明するためには、Poliノックアウトマウスを作製し、その肺発がん感受性を調べねばならない。昨年度はノックアウトに必要なターゲティングベクターの設計ならび作製と、その胚幹細胞株への導入を行ったが、ノックアウトマウス創出に適する胚幹細胞クローンを得ることができなかった。そこで、今年度は新たなターゲティングベクターの設計と作製を行って実験を進めたところ、幸いにも優良なノックアウト胚幹細胞クローンが得られた。同クローン細胞を正常マウス初期胚と結合させ、偽妊娠させた仮親の雌マウスの子宮に移植した結果、3匹のキメラマウスの出産に成功した。今後はキメラマウスを正常マウスと交配し、目的のPoliノックアウトマウスを獲得する予定である。
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Research Products
(16 results)