2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピロリ菌感染によるヒト細胞のエピジェネティックス変異の研究
Project/Area Number |
18590386
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
常吉 俊宏 Shizuoka Institute of Science and Technology, 理工学部, 教授 (40236930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 助教 (70332369)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 食品 / 微生物 / 病理学 |
Research Abstract |
ピロリ菌(HP、J99株)と混合培養するヒト細胞のモデル株として、正常成人ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)の凍結株を新規に購入、解凍後2代まで継代培養し、液体培養HPと、HP菌数/NHDF細胞数=約20で48時間混合培養した。その内、半分には混合培養と同時に緑茶カテキンのエピガロカテキンガレート(EGCG)を20μM添加した。また対照として1群のNHDFはHPと混合培養せずEGCGだけを添加した。48時間後、各培養フラスコからDNAを抽出し、MS-AFLP解析を行った。その結果、NHDFにHPを混合培養すると、観測遺伝子の44%がメチル化、8%が脱メチル化を示した。HP混合培養にEGCGを共存させると32%がメチル化、23%が脱メチル化を示した。EGCG添加のみのNHDFでは9%のメチル化、33%の脱メチル化を示した。これらの結果からHPが概ねメチル化に寄与すること、EGCGが脱メチル化に寄与すること、EGCG添加ではHPのメチル化影響を全て回復するには至らない様子が伺えた。 以上のデータの内、HPとの混合培養の結果は、前年度のHP混合培養結果のメチル化9%、脱メチル化7%とはかなり差がある。これは前年度まで購入できていたNHDFはフラスコ培養細胞の形でメーカー(クラボウ)から購入していたが、平成19年度上期途中にメーカーで製造汚染が起こり、10月からは供給停止に陥った。そこで止む無く凍結細胞を新規に導入し実験を行ったため実験データに差が生じた可能性が考えられる。またその後凍結細胞でも購入後の培養段階で汚染が生じた。
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Research Products
(1 results)