2006 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの新たなリーシュマニア原虫認識機構の解析
Project/Area Number |
18590401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本間 季里 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (70307940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由井 克之 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (90274638)
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Keywords | IRF-4 / L.major / 炎症性サイトカイン / マクロファージ |
Research Abstract |
1)野生型(WT)および転写因子」 regulatory factor-4遺伝子欠損マウス(IRF4 KO)にL.majorを感染させると、感染2-5週の早期では抵抗性マウスであるB6マウスよりも足趾の肥厚は減弱しており、感染早期の局所の防御免疫がIRF4 KOでは亢進していることが示唆された。IRF-4は、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞に発現しているため、T細胞による防御免疫の亢進ではなく、マクロファージによる局所の防御反応が亢進していることを証明する目的で、Rag2/IRF4 DKO(DKO)を作成した。まず、Rag2 KOにWTならびにIRF4 KOのCD4 T細胞を移入しL.majorを感染させたところ、感染2-5週では足趾の肥厚に差は認められなかった。一方、Rag2 KOあるいはDKOにWTのCD4 T細胞を移入したのち、L.majorを感染させたところ、感染3週でRag2 KOはB6マウスと同様であったが、DKOにおいては足趾の肥厚が減弱しており、マクロファージが防御免疫亢進の担い手であることが強く示唆された。 2)in vitroでWTならびにIRF4 KOマクロファージにL.majorを感染させた後、炎症性サイトカインのmRNAの発現をリアルタイムPCRで測定した。蛋白レベルと同様、IRF4 KOマクロファージにおいては、TNF-αの発現亢進とIL12の発現低下が確認された。このことからIRF4 KOにおけるL.major感染による炎症性サイトカイン産生の変化は、転写レベルでの制御であることが明らかとなった。 3)生きたL.major感染時だけでなく、粗抗原においてもIRF4 KOマクロファージにおけるサイトカイン産生の変化は同様であった。そこで、種々の変性粗抗原を作成し、L.major抗原の同定を試みた。その結果、不溶性画分に含まれ、Proteinase K抵抗性であることが判明した。
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