2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯熱マラリア原虫の増殖を阻害するヒトモノクローナル抗体の開発
Project/Area Number |
18590407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橘 裕司 東海大学, 医学部, 助教授 (10147168)
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Keywords | 熱帯熱マラリア / マラリア原虫 / ヒトモノクローナル抗体 |
Research Abstract |
マラリアの年間罹患者数は世界で約5億人であり、そのうち約300万人が死亡すると推定されている。しかし、ワクチンはまだ実用化されておらず、薬剤耐性マラリアの拡散も問題になっている。本研究では、特に死亡率の高い熱帯熱マラリアの治療や予防に応用できるような、ヒトモノクローナル抗体の作製をめざしている。熱帯熱マラリア原虫のメロゾイト表面に存在するmorozoite surface protein 1のC末端側19kDa領域(MSP-1_<19>)を抗体の標的分子と考えている。MSP-1_<19>の組換えタンパク質を用いてスクリーニングを行い、これまでに3クローンのヒトモノクローナル抗体Fab断片を得ている。その内のクローンPf25について、L鎖とH鎖の相補性決定領域(CDR)をコードする遺伝子にリコンビネーションPCR法で変異を導入し、1アミノ酸を置換して親和性の改良を試みた。L鎖では、CDR3を構成するGlnGlnTyrGlySerSerProIleThr(アミノ酸番号90-98)において、Tyr^<92>あるいはIle^<97>を任意のアミノ酸に置換した。ELISAによってスクリーニングし、Pf25と同等あるいはそれ以上に高い反応性を示すクローンについて、塩基配列を調べた。その結果、Tyr^<92>がAlaに、Ile^<97>がGly、Leu、Glu、Ala、Serに置換されたクローンが得られた。一方、H鎖ではCDR3を構成するValGlyValTrpPheGlyGluLeuTrpTyr(アミノ酸番号99-108)において、Val^<101>あるいはTrp^<107>の置換を行った。ELISAによるスクリーニングの結果、Val^<101>についてはVal以外の配列を示したものはなかった。Trp^<107>に関しては、ArgとSerに置換されたクローンが得られた。現在、これらの改変Fabクローンについて、MSP-1_<19>に対する親和性を表面プラズモン共鳴法によって比較解析中である。
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Research Products
(2 results)