2006 Fiscal Year Annual Research Report
真菌感染における自然免疫の活性化とNKT細胞及びγδT細胞による制御機構
Project/Area Number |
18590413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川上 和義 東北大学, 医学部, 教授 (10253973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲川 清隆 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (80361145)
宮里 明子 東北大学, 病院・助手 (50400370)
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Keywords | 真菌感染 / 自然免疫 / NKT細胞 / γδT細胞 / 樹状細胞 / CDId / 脂質抗原 / IFN一γ |
Research Abstract |
宿主は微生物の侵入に対して、TLRやマンノース受容体などを介したpathogen-associated molecularpattern(PAMP)の認識を契機として、自然免疫による防御システムを発動させる。また、NKT細胞やγδT細胞のような自然免疫リンパ球は、その後の獲得免疫の「質」、特にTh1-Th2バランスを決定し、微生物感染の経過に重要な影響を及ぼす。これまでに我々は、エイズの重要な日和見病原真菌であるクリプトコッカス(Cn)に対する感染防御機構においてNKT細胞が促進的に、一方γδT細胞は抑制的に機能することを明らかにしてきた。本研究では、Cn感染防御におけるNKT細胞の役割についてさらに詳細に解析する目的で、Cn菌体の中にNKT細胞の認識抗原を探索することを試みた。Cnの破砕物をマウス骨髄由来樹状細胞(BM-DC)と24時間培養後、MACSカラムを用いて精製したCDIlc陽性細胞を肝臓から分離したNKT細胞を含む単核細胞(LMNC)とともに48時間培養したところ、上清中にIFN-γの産生か観察された。これは抗CDId抗体で有意に抑制され、CDIdK0マウス由来のBM-DC、あるいはJα18K0マウス由来のLMNCを用いると反応の消失あるいは有意な低下が観察されたことからCn菌体にCDIdに依存してNKT細胞を活性化する抗原が存在する可能性が示唆された。そこで、Cnから抽出した脂質をリコンビナントCDIdをコートしたプレート上でNKT細胞ハイブリドーマを培養したところ、その活性化がわずかながら観察された。以上の結果から、NKT細胞はCn菌体成分中の何らかの脂質成分をCDId依存性に認識して活性化している可能性が考えられた。今後は、この点を含めてさらに詳細な解析を継続し、Cn感染防御におけるNKT細胞、あるいはγδT細胞の役割を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(7 results)