2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590414
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 道永 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (80361624)
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Keywords | 赤痢菌 / オートファジー / Atg5 / LC3 |
Research Abstract |
Afpはyeast two-hybrid法により得られたAtg5結合タンパク質であり、その機能は全く未知である。そこで、本研究ではアミノ酸飢餓により誘導されるオートファジーと赤痢菌感染において観察されるオートファジーにおけるAfpの機能解析をおこなった。昨年度までの研究から、Afpが赤痢菌感染またはアミノ酸飢餓条件下において形成されるオートファゴソームにAfpタンパク質が局在すること、Afpタンパク質のN末端のアミノ酸領域が赤痢菌感染細胞において観察されるオートファゴソームへの局在に必要であること、Atg5がAfpの中央領域付近と結合することが明らかになっていた。本年度は、昨年度までの研究をさらに詳細におこなうとともに、オートファジーにおけるAfpの生理学的な役割を明らかにすることを目的とし、研究を行った。まず、赤痢菌感染またはラパマイシン処理により誘導されたオートファジーにおけるAtg5とAfpの共局在を検討した結果、LC3のpunctaおよび細胞質内の赤痢菌の周囲にAfpとAtg5が強く共局在することが明らかになった。次に、AfpにおけるAtg5に対する結合領域の解析を詳細におこない、Afp上のAtg5結合領域を20アミノ酸にまで絞り込み、Atg5に対する結合性を消失した1アミノ酸置換変異体を作製することに成功した。さらに、オートファジーにおけるAfpの生理学的な意義を明らかにするために、RNAiを用いたAfpのノックダウン実験を行った結果、ラパマイシンによって誘導されるオートファジーがAfpのノックダウンによって抑制されることが明らかになった。これらの結果は、病原細菌に対する選択的なオートファジー、およびアミノ酸飢餓により誘導されるcanonicalなオートファジーにおいてAfpが重要な役割を果たしていることを示唆していると考えられる。
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