2006 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラIV型分泌系菌体外コンポーネントDotAの機能解析
Project/Area Number |
18590420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教授 (80222173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久堀 智子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (20397657)
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Keywords | レジオネラ / IV型分泌系 |
Research Abstract |
レジオネラによる肺炎は汚染された温泉などを原因とするアウトブレイクで社会問題となっている新興感染症である。レジオネラはDot/Icm IV型分泌系を使って機能性タンパク質(エフェクター)を宿主真核細胞質へ輸送することにより、宿主細胞内での増殖を可能としている。DotAはこの分泌系の一員としてエフェクター輸送に必須なタンパク質である。DotAは複数の膜貫通ドメインをもち、細菌中では細菌内膜に局在している。申請者は、DotAの大部分がDot/lcm分泌系によって培養上清中に分泌されていることを明らかにした。本研究ではDotAの分泌機構およびエフェクター輸送に関わる機能を解明することを目標に、DotAタンパク質の機能を明らかにするためにフォワード・ジェネティックスの手法を用いてアプローチする。当該年度では、DotAの点変異を効率よく分離するためのハイスループットスクリーニング系を確立した。具体的にはまず、dotA遺伝子にTaqポリメラーゼによる遺伝子増幅により変異を導入し、これにより得られたdotAの点変異を含むプラスミドをdotA欠失株に導入し、個々のトランスフォーマントを96穴プレートで培養した。その培養液をドットプロットしDotAカルボキシ末端ペプチドに特異的なモノクローナル抗体を用いて検出することにより、まずDotAを発現しない株を排除する。DotAを発現する株について、培養上清について同様に解析することにより、DotA分泌を欠損する点変異を分離する。これと平行して、アメーバプレート法によりモデル自然宿主であるアメーバ中で増殖できなくなるようなDotA点変異を分離する。この方法により、解析した全コロニーの1%程度の効率でDotA分泌能あるいは宿主細胞内増殖を欠損するDotAの点変異を得ることに成功した。
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