2007 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラIV型分泌系菌体外コンポーネントDotAの機能解析
Project/Area Number |
18590420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 Osaka University, 微生物病研究所, 特任准教授 (80222173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久堀 智子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教 (20397657)
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Keywords | レジオネラ / IV型分泌系 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
レジオネラによる肺炎は汚染された温泉などを原因とするアウトブレイクで社会問題となっている新興感染症である。レジオネラはDot/Icm IV型分泌系を使って機能性タンパク質(エフェクター)を宿主真核細胞質へ輸送することにより、宿主細胞内での増殖を可能としている。DotAはこの分泌系の一員としてエフェクター輸送に必須なタンパク質である。DotAは複数の膜貫通ドメインをもち、細菌中では細菌内膜に局在している。申請者は、DotAの大部分がDot/Icm分泌系によって培養上清中に分泌されていることを明らかにした。本研究ではDotAの分泌機構およびエフェクター輸送に関わる機能を解明することを目標に、DotAタンパク質の機能を明らかにするためにフォワード・ジェネティックスの手法を用いてアプローチする。当該年度では、前年度に確立したハイスループットスクリーニング系を利用して、DotA分泌あるいはアメーパー中での増殖能を欠損するDotA点変異を多数分離した。得られた全ての変異タンパク質発現株において、DotA分泌の欠損とアメーバー中での増殖阻害が相関しており、このことはDotAの分泌がその機能に必須であることを強く示唆する。DotA分泌を欠損する点変異の分布は予想外に多岐にわたっていたため、分泌自体を特異的に欠損する点変異の分離に向けて、分泌前のDotAの様態、すなわち各変異タンパク質の内膜局在および内膜内トポロジーを検討する必要があると結論した。
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