2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオのIII型分泌装置およびそのエフェクターの発現制御についての解析
Project/Area Number |
18590421
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 哲也 Osaka University, 微生物病研究所, 特任教授 (90221746)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / III型分泌装置 / エフェクター / 発現制御 |
Research Abstract |
本研究では、腸炎ビブリオに新たに見出された2つのIII型分泌装置(TTSS1およびTTSS2)およびそれらの分泌蛋白(エフェクター)の発現条件を明らかにするとともに、その発現制御機構を解明することを目的とし研究を行っている。本年度得られた成績を挙げる。 TTSS1、TTSS2ともにゲノム上でそれらの遺伝子の近傍に、それぞれの発現制御をしていると考えられる遺伝子が見いだされた。その詳細について解析した結果、TTSS2に関しては、上流下流の関係にある2つの制御蛋白がTTSS2を含むpathogenicity island (Vp-PAI)の領域全体の遺伝子を正に発現制御していることが明らかになった。また、今回見いだされた制御遺伝子が制御する遺伝子を同定するためマイクロアレイを用いた腸炎ビブリオ全遺伝子の発現プロファイルの解析を行ったところ、その発現制御はVp-PAI領域内の遺伝子群に特異的であることが示された。さらに、この発現制御遺伝子の過剰発現系を用い、TTSS2のトランスロコンおよび新規なエフェクターを同定することができた。この成果は腸炎ビブリオの病原性を理解する上で需要な知見であるとともに、病原因子であるTTSS2の発現抑制による感染制御にもつながる結果である。今後はこれら新規に見いだされた制御遺伝子の発現制御機序について分子レベルで詳細に解析していくとともに、in vitro条件における発現との関係を解析して行く予定である。
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Research Products
(4 results)