2006 Fiscal Year Annual Research Report
腸管感染菌の蛋白毒素成熟化過程の解析と下痢予防に関する研究
Project/Area Number |
18590423
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 敬の介 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70131183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 浩泰 広島国際大学, 薬学部, 教授 (30202386)
中尾 浩史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237217)
高橋 栄造 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70379733)
|
Keywords | アエロモナス / セリンプロテアーゼ / メタロプロテアーゼ / 成熟化過程 / カルボキシ末端 |
Research Abstract |
今年度は腸管感染を起こす菌としてアエロモナスを取り上げ,本菌のプロテアーゼおよび下痢毒素の活性化の研究を行った。アエロモナスはプロテアーゼ活性が強い菌であり,セリンプロテアーゼとメタロプロテアーゼが主たるプロテアーゼである。そのセリンプロテアーゼは菌が軟部組織に感染したときは皮膚壊死の形成に関与していることが示唆されている。それ故セリンプロテアーゼは腸管においても腸管組織の損傷に関係していると思われている。このプロテアーゼの成就化過程を明らかにし,その過程を遮断できれば,アエロモナス感染の症状は軽減できると思われる。そこで本セリンプロテアーゼの成熟化過程の検討を行い,以下の結果をえた。まずアエロモナスの培養上清中にサイズの小さい本プロテアーゼを見いだし,このプロテアーゼを精製,解析した。その結果,このプロテアーゼはカルボキシ末端の82アミノ酸が欠損したセリンプロテアーゼであることがわかった。すなわちセリンプロテアーゼはC末端が82個欠損しても,活性は保持できることがわかった。次に遺伝子操作でC末端を順次欠損させたセリンプロテアーゼ遺伝子を構築し,発現させた。その結果,C末端アミノ酸を5個欠損しても,プロテアーゼの産生は影響を受けないが,6個欠損させるとプロテアーゼは産生されなくなる。これらのことから本セリンプロテアーゼのC末端は本プロテアーゼの成就化過程に必須な領域であるが,活性構造構築後は,活性発現には関与しない領域であることがわかった。また変異株の実験より,本菌の下痢毒素を活性化しているプロテアーゼはメタロプロテアーゼであることもわかった。
|
Research Products
(5 results)