2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島本 整 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (90187443)
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Keywords | 赤痢菌 / Shigella / インテグロン / ESBL / 基質拡張型β-ラクタマーゼ / OXA |
Research Abstract |
本研究では,病原細菌における薬剤耐性遺伝子の分布状況を調べ,耐性遺伝子を詳細に解析することによって耐性遺伝子の挿入と伝達のメカニズムを解析することを目的としている。 本研究では,広島県内で2000年から2004年にかけて分離された赤痢菌(Shigella spp.)の薬剤耐性化機構を遺伝子レベルで明らかにした。26株のShigellaについてクラス1とクラス2インテグロン,基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBLs, estended-spectrum β-lactamases)の保有状況を調べた。その結果,クラス1インテグロンは,1株のS.sonneiのみから検出され,estX遺伝子とストレプトマイシン・スペクチノマイシン耐性を付与するaadA1遺伝子が含まれていた。また,クラス2インテグロンは,2種類検出された。1つは,一般的な3つの遺伝子カセット(dfrA1-sat2-aadA1)を含むタイプであり,S.sonnei14株とS.flexneri5株から検出された。もう1つは,2つのみの遺伝子カセット(dfrA1-sat2)を含んでおり,1株のS.sonneiのみから検出された。また,調べたほとんどのS.flexneriは,ESBL遺伝子であるblaOXA-30遺伝子を含んでいた。この遺伝子は,S.flexneriの染色体DNA上に存在していることがサザンハイブリダイゼーションの結果より明らかになった。パルスフィールドゲル電気泳動の結果は,耐性遺伝子の保有状況と試験菌の類縁関係にある程度の相関が認められた。本研究によって,Shigellaでは,かなり広範囲に薬剤耐性遺伝子が広がっていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)