2007 Fiscal Year Annual Research Report
O157大腸菌感染ストレス誘導レプチンによるGb3結合志賀毒素活性化機序
Project/Area Number |
18590434
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
喜多 英二 Nara Medical University, 医学部, 教授 (90133199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 文子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70271202)
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Keywords | 腸管出血性大腸菌 / ベロ毒素 / 感染ストレス / レプチン / グレリン / 資質ラフト / Gb3 / アポトシス |
Research Abstract |
昨年度の研究において、StxとTNF-α存在下における標的細胞でのNO産生亢進が、HUS病態成立に深く関与し、TNF-α刺激により産生亢進するレプチンが、両因子の協調作用を更に促進させていることが確認された。本年度の研究では、STEC経口感染後18時間までに、腸管組織および血中にTNF-αが有意に産生亢進され、血中には16時間目移行レプチン量が上昇し、この上昇と併行して、血中及び腎・脳内でのNOレベルの亢進が確認され、脳内でのアポトーシス細胞が増加した。Stx非産生大腸菌の経口感染では、これらの変化は確認されなかった。神経細胞を用いた解析から、志賀毒素の標的細胞への毒性発現に細胞内NO産生亢進が不可欠であり、レプチン処理神経細胞ではStx存在下でNO産生亢進が著しく増加し、Stx感受性の顕著な亢進が認められた。レプチン処理の効果には、細胞膜non-raft中のABCA1発低下進とlipid raft中でのGb3発現増強が認められ、結果としてGb3結合Stxの細胞内取り込みが亢進し、神経細胞のアポトーシスが増強されることが認められた。しかし、レプチン処理によるアポトーシス増強作用は血管内皮細胞では確認されなかった。 本研究ではレプチンの作用機序については明らかにしえなかったが、レプチンによる毒素活性亢進作用はSTEC感染感受性の個体差の一因と推察された。
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