2006 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラSipCたん白質の機能解析とワクチン開発への応用
Project/Area Number |
18590435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
檀原 宏文 北里大学, 薬学部, 教授 (40114558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 健 北里大学, 薬学部, 助手 (00348591)
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Keywords | サルモネラ / 病原因子 / 感染症 / ワクチン |
Research Abstract |
Salmonellaの上皮細胞侵入性は、本菌が感染を成立させるための重要なビルレンス形質の一つである。本研究では、トランスロケーターとしてのSipCの機能活性に必要な最小領域および機能アミノ酸の決定、特に、疎水性アミノ酸領域の機能発現に対する重要性を明らかにした。 SipC膜貫通領域の機能を調べるために、S.Typhimurium sipC変異株を作製した。sipC変異株に野生型sipCを有するプラスミドpsipCを形質転換するとビルレンス形質を回復したが、SipCたん白質の疎水性アミノ酸領域(120〜200アミノ酸)を欠失した変異SipCをコードするpsipCΔHを有するプラスミドを形質転換するとビルレンス形質を回復することができなかった。すなわち、膜貫通領域を欠失することによりSipCたん白質は機能を喪失することが明らかとなった。そこで、さらに、機能発現のために必要なアミノ酸領域を明確にするために、SipC疎水性領域における9〜15アミノ酸を欠失した変異SipCたん白質を構築し、SipC変異株にこれらの変異たん白質をコードするプラスミドを形質転換後、HeLa細胞に対する細胞侵入性およびヒツジ赤血球に対する溶血活性について、それぞれ比較した。その結果、細胞侵入性および溶血活性は、いずれのSipC変異体でも野生型まで回復しなかった。次に、疎水性アミノ酸領域での溶血活性に関与する機能的なアミノ酸を、PCRを用いたランダム変異導入法によって分離同定し、得られた点変異型SipC-S165Pを用いて、ビルレンス形質への影響を明らかにしたところ、SipC-S165Pは、溶血活性および細胞侵入性を回復することはできなかった。したがって、SipCたん白質におけるS165P点変異は、SipCの持つ機能を発揮する上で重要なアミノ酸であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)