2007 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラSipCたん白質の機能解析とワクチン開発への応用
Project/Area Number |
18590435
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
檀原 宏文 Kitasato University, 薬学部, 教授 (40114558)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 信彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (80194364)
|
Keywords | サルモネラ / 病原因子 / 感染症 / ワクチン / III型分泌機構 |
Research Abstract |
Salmonellaの上皮細胞侵入性に関わるビルレンス形質の一つであるSipCにおける疎水性アミノ酸領域の機能を明らかにする目的で、昨年度に分離同定したアミノ酸点変異体SipC-Sl65Pの性状解析とこの変異型SipCを利用したワクチン開発の可能性について検討した。点変異型SipC-S165PはsipC変異株の細胞侵入性を相補できないことから、この変異型SipCは宿主細胞膜に移行または挿入できないことが予測された。そこで、精製したSipC-S165P-FLAGを、HeLa細胞の培養液中に加え、共焦点顕微鏡で観察したところ、SipC-FLAGとは異なり、SipC-S165P-FLAGの細胞膜への挿入はみられなかった。次に、pFLAG-sipCおよびpFLAG-sipC-S165Pを発現するSalmonella野生株を、HeLa細胞に感染させ、感染細胞を核、細胞質、膜成分および細胞骨格成分に分画し、宿主細胞内に挿入されたSipCの局在を調べた結果、SipC-FLAGは、細胞膜画分に局在するのに対して、SipC-S165P-FLAGの膜画分への局在はみられなかった。したがって、165番目のセリンはSipCが宿主細胞膜に貫通するために重要なアミノ酸であることが明らかとなった。また、点変異型SipC-S165Pが、野生型SipCの機能を競合阻害できるかどうか調べるために、Salmonella野生株を用いた細胞侵入性試験で点変異型SipC-S165PをHeLa細胞に前処理し、その効果について調べた。野生型SipCを、HeLa細胞に前処理するとSalmonella野生株の細胞侵入率は増加したが、SipC-S165Pの前処理では、細胞侵入率に対する影響はみられなかった。現在、マウス感染モデルを用いて、点変異型SipC-S165Pのin vivoにおける免疫効果について検討中である。
|
Research Products
(4 results)