2007 Fiscal Year Annual Research Report
クオラムセンシングを調節するプロバイオティクスの開発
Project/Area Number |
18590437
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
神谷 茂 Kyorin University, 医学部, 教授 (10177587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 敬子 杏林大学, 医学部, 助教 (90255406)
花輪 智子 杏林大学, 医学部, 助教 (80255405)
蔵田 訓 杏林大学, 医学部, 助教 (00383670)
|
Keywords | プロバイオティクス / クオラムセンシン / バイオフィルム / 腸内フローラ / 病原性 |
Research Abstract |
クオラムセンシング(QS)は細菌密度に応じて変生されたオートインデューサー(AI)を介して遺伝子発現が調節されるシステムである。細菌のバイオフィルム形成は免疫回避、抗菌薬への抵抗性などと関連し、その形成はQSにより調節されることが知られている。本研究では細菌のバイオフィルム形成を調節する腸内フローラ由来細菌を分離し、細菌生剤として注目されているプロバイオティクスとして開発することを目的とした。 Escherichia coliを用いたマイクロプレート内アッセイによるバイオフィルム形成判定法を確立した。 QS介在分子であるAI-2(luxS陽性Vibrio harveyiおよびluxS相補株のE.coliαPTKY株の培養上清を使用)の添加により、E.coliのバイオフィルム形成が亢進することが明らかとなった。腸内フローラ構成菌16菌属25菌株の培養上清のうちバイオフィルム形成を抑制したものはClostridium difficile、Bifidobacterium、Enterococcus faecalis Lactobacilus casei、Peptoniphilus asaccharolyticus、Veillonella parvulaであった。AI-2 が産生されないHelicobacter pylori luxS変異株と親株のバイオフィルム形成能を比較した結果、両者に差は認められず、本菌はQSとは異なるバイオフィルム形成が行われている可能性が示された。 健常成人糞便由来腸内菌576株を使用してE..coliのバイオフィルム形成に変化を及ぼす菌株のスクリーニングを行った結果、対照に比べ80%以下のバイオフィルム形成を示した菌株は12株であった。これらの菌種同定を行うとともに、バイオフィルム形成以外のQS関連遺伝子(付着性、毒素産生等)の発現に及ぼす効果を解析していく。
|
Research Products
(8 results)