2006 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス核蛋白質EBNA3CのBリンパ球形質転換における役割
Project/Area Number |
18590444
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸尾 聖爾 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70292018)
|
Keywords | EBウイルス / 細胞周期 / p16(INK4A) / pRb |
Research Abstract |
EBウイルスはヒトBリンパ球を不死化してLCLに変換する活性をもつ。遺伝学的解析により、EBNA2、EBNA3A、EBNA3C、LMP1がリンパ球不死化に必須のウイルス蛋白質であることが明らかになっている。コンディショナルEBNA3Cを発現するLCLを樹立し、EBNA3CがどのようなメカニズムでLCLの増殖に寄与しているか解析を行った。EBNA3CのC末端に4-hydroxy-tamoxifen(4HT)反応性estrogen receptorのDNA結合ドメインを連結させた融合蛋白質(EBNA3CHT)を発現するLCLを樹立した。EBNA3CHTは4HTによりその機能を制御することが可能である。 EBNA3CをオフにするとLCLは増殖を停止した。細胞周期解析ではS期、G2/M期の細胞が減少していた。EBNA3Cオフにより、Cdkインヒビターp16(INK4A)の発現の増加、Cdk2/Cyclin D複合体の減少が惹起され、それに伴って高リン酸化型Rb蛋白質の減少が認められた。したがって、EBNA3Cはp16(INK4A)の発現を抑制することにより、LCLの増殖維持に寄与していることが示唆された。 EBNA3CはRBP-Jkappaに結合し、RBP-Jkappa依存的な転写制御能をもつことが報告されている。RBP-Jkappaとの結合領域を欠失させたEBNA3C変異体、およびRBP-Jkappa依存的な転写制御能を欠くEBNA3C変異体を作製し、LCLの増殖維持活性を検討した。いずれのEBNA3C変異体もLCLの増殖維持活性を持たなかった。したがって、EBNA3CはRBP-Jkappa依存的な転写制御を介してLCLの増殖維持に寄与しているものと考えられた。
|
Research Products
(2 results)