2007 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス核蛋白質EBNA3CのBリンパ球形質転換における役割
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18590444
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸尾 聖爾 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70292018)
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Keywords | EBウイルス / 不死化 / 転写制御 / RBP-Jkappa |
Research Abstract |
EBウイルスはヒトBリンパ球を不死化して無制限に増殖可能なLCLに変換する活性をもつ。EBNA3Cは不死化に必須のウイルス蛋白質である。EBNA3CはCdkインヒビターp16(INK4A)の発現を抑制することによりLCLの増殖維持に寄与していると考えられている。 EBNA3Cの作用メカニズムを明らかにするため、EBNA3Cの様々な領域を欠失した一連のEBNA3C変異体を作製し、LCL増殖維持活性を検討した。その結果、アミノ酸領域1-506、および、アミノ酸領域733-909はEBNA3Cの機能に必須であることが明らかになった。これらの領域はヒトのEBウイルスとサル(Rhesus、 Baboon)の類縁ウイルスの間でよく保存されている領域である。一方、アミノ酸領域507-515(SUMOホモロジードメイン)、516-620、637-675(Nm23-H1結合ドメイン)、あるいは676-727を欠失させたEBNA3Cは、野生型EBNA3Cと同様のLCL増殖維持活性を保持していたことから、これらの領域はEBNA3Cの機能に必要ないものと考えられた。 EBNA3Cは宿主のDNA結合蛋白質RBP-Jkappaに結合し、RBP-Jkappa依存的な転写制御能をもつことが報告されている。EBNA3のRBP-Jkappa結合領域内に変異を導入した一連のアラニン置換変異体を作製し、それらの転写制御能とLCL増殖維持活性を検討した。その結果、転写制御能を有するEBNA3C変異体はLCL増殖維持活性を保持しており、転写制御能を失ったEBNA3C変異体はLCL増殖維持活性も失っていた。したがって、EBNA3CはRBP-Jkappa依存的な転写因子として機能していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)