2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイナス鎖RNAウイルスの細胞馴化によるポリメラーゼの変異と病原性の変化
Project/Area Number |
18590450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 誠 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (40311401)
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Keywords | 麻疹ウイルス / 細胞馴化 / 病原性 |
Research Abstract |
組換え麻疹ウイルスを合成する系の改良を行った。具体的には、麻疹ウイルス合成のためのポリメラーゼを供給するワクシニアウイルスを、より安全性の高いLister株で行える系を開発した。さらに麻疹ウイルス合成の際に、カスパーゼ阻害剤を用いることにより、麻疹ウイルスを合成する効率を高めることに成功した。 改良した系を用いて以下のことを行った。 1)麻疹ウイルスワクチン株ゲノム上の細胞馴化に伴い生じたと考えられる変異を同定し、その変異によるウイルス蛋白の機能変化について明らかにした。具体的には、H蛋白の複数のアミノ酸置換を同定し、それら複数のアミノ置換によって、H蛋白がCD46分子を受容体として認識できるようになり特定の培養細胞に馴化することを明らかにした。また、M蛋白の2箇所のアミノ酸置換を同定し、その置換によって、ウイルス粒子形成効率を向上させることにより、麻疹ウイルスが、特定の培養細胞に馴化することを明らかにした。 2)麻疹ウイルスC蛋白が、自然免疫の発動を抑制することにより麻疹ウイルスの増殖を促進することを明らかにした。 3)ポリメラーゼの結合するプロモーター領域の変異が、麻疹ウイルスの細胞馴化に関与することを明らかにした。 4)ポリメラーゼの細胞馴化に関わる変異を同定するための定量性の高いレポーター遺伝子を発現する組換え麻疹ウイルスの作成に成功した。 組換えウイルスの病原性を解析するための麻疹ウイルス感染用マウスモデルの作出に成功した。
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