2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖シグナルによるT細胞免疫応答の制御と関連疾患に対する分子標的治療法の基礎開発
Project/Area Number |
18590471
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
MA BRUCE YONG 立命館大学, COE推進機構, 助教授 (00378788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 立命館大学, COE推進機構, 教授 (50025706)
|
Keywords | 糖鎖シグナル / レクチン / T細胞活性化 / サイトカイン / 共刺激分子 |
Research Abstract |
本年度の研究では、糖鎖シグナルを介する免疫応答の調節機構の解明及び関連疾患に対する分子標的治療法の基礎開発を目指しており、具体的には、T細胞、マクロファージ、樹状細胞などの免疫系細胞の活性化や分化における、さまざまな細胞表面抗原やシグナル伝達受容体の糖鎖による調節の仕組みの研究を進んでいる。その成果としては、O-結合型の二糖構造Galβ1-3GalNAcを特異的に認識するレクチンJacalinがT細胞を活性化する分子機構を明らかにしつつあり、新規Jacalin結合タンパク質としてチロシンボスファターゼであるCD45を同定した。またJacalinがCD45を介してT細胞を活性化し、CD4^+T細胞においてはCD45を介してTh1/Th2サイトカインの産生を誘導することを明らかにした。さらにJacalinはCD45に結合することでTCRシグナル経路を介してT細胞を活性化することも判明した。これらの結果より、Jacalinは新しいタイプの免疫賦活剤として応用できると考えられる。また、Gal、GlcNAcを特異的に認識するレクチンマクロファージアシアロ糖タンパク質結合タンパク質(M-ASGP-BP)は、外来異物の除去を仲介するエンドサイトーシスレセプターとして働く。LPSがmRNAレベルでM-ASGP-BPの発現を抑制することをラット及びマウスのチオグリコレート誘導腹腔マクロファージを用いて明らかにした。このLPSによる発現抑制効果は、変異体TLR4をもつC3H/HeNマウスでは見られず、またNF-κBの活性化阻害剤により消失した。これらの結果はM-ASGP-BPの発現が、LPSで誘導されるTLR4、NF-κBを介したシグナルにより負に調節されていることを見出した。以上のように、本研究は平成19年3月現在において多くの知見を得ることが出来た。
|
Research Products
(3 results)