2007 Fiscal Year Annual Research Report
Notchリガンドを用いたTリンパ球機能制御システムの確立
Project/Area Number |
18590474
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岸原 健二 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80214774)
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Keywords | Notch / Notchリガンド / リンパ球 / NK細胞 / Tリンパ球 / 免疫調節 / 抗腫瘍免疫 |
Research Abstract |
当初予定していた変異型NotchリガンドによるTリンパ球機能制御システムの開発は、有効な変異型分子を作製できなかった。そこで本年度は、種々のNotchリガンドの免疫応答への影響をさらに検討した。リンパ球の一種であるNK細胞は細胞傷害活性やサイトカイン産生によって多様な免疫応bを調節する。NK細胞と樹状細胞(DC)の相互作用は、NK細胞を介した抗腫瘍応答や抗細菌応Aに関与することから、この相互作用を制御する分子および細胞機構はほとんど分かっていない。ここで我々はDCが介在するNK細胞の細胞症が亀活性の増強におけるJadded2-Notch間の相互作用の関与を示す。Jagged2を強制発現させたA20細胞(Jag2-A20細胞)は、生体内での増殖が未処置A20細胞に比べて抑制されたが、その抑制効果はNK細胞を除去することによって消失した。さらに、Jag2-A20細胞はSCIDマウス中での未処置A20細胞の増殖をNK細胞依存的に抑制した。同様に、Jagged2を過剰発現しているDC(Jag2-DC)とA20を一緒に接種すると、マウスでのA20細胞の増殖が抑制された。Jagged2によるNK細胞の刺激は、細胞傷害活性やINF-γの産生や増殖を直接的に増強した。NK細胞におけるNotch2のリガンド刺激は細胞傷害活性を増強し、Jag2-DCまたはCpG刺激DCを介したNK細胞の細胞傷害活性はγ-セクレターゼ阻害剤で抑制された。以上の結果は、Jagged2-Notch軸がDC介在性のNK細胞の細胞傷害活性において重要な役割を担っていることを示す。さらに、この相互作用を操作することによって、強力な抗腫瘍免疫を誘導したり、NK細胞が原因となる自己免疫疾患を抑制する新しいアプローチが可能となることが予測される。
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Research Products
(2 results)