2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590481
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤井 眞一郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫細胞移植戦略研究ユニット, ユニットリーダー (10392094)
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Keywords | 樹状細胞 / indoleamine 2,3-dioxygenase / 免疫誘導 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
「研究目的」感染症、癌などに対する生体防御に対する免疫を成立させる上で、樹状細胞の機能・成熟化と代謝産物の比較と獲得免疫の機能制御の関与の研究を進めている。本年度は、代謝産物の発現と樹状細胞の成熟化分類において成熟化の関連を解明した。[研究実績]樹状細胞由来のアミノ酸代謝酵素において特にindoleamine2,3-dioxygenase(IDO)、及びアルギナーゼに着目し、既存の樹状細胞の成熟化の指標とT細胞免疫応答の関係と合わせて総合的に評価した。成熟樹状細胞からはアルギナーゼ産生は極めて低値でT細胞免疫応答に影響を与えないことを明らかにした。一方、樹状細胞のIDO活性は、未熟樹状細胞では認められず、むしろ(a)TNFαやIFN-γのなどのサイトカインによる特定の刺激の場合に上昇することと、(b)他の成熟シグナルであるCD40L、PGE2等の組み合わせによりIDO活性が増強することを明らかにした。またこれらの免疫応答は、明らかに培地中に含まれるトリプトファン量にも依存していた。総じて樹状細胞が成熟化の表現型を呈していても、成熟シグナルの組み合わせによりアミノ酸バランスによりIDO代謝産物の上昇が見られることがあり、この場合むしろT細胞機能を減弱させることになることが判明した。実際に腫瘍細胞に対して抗原を取り込んだ生体内樹状細胞の至適成熟化が起こる場合、腫瘍細胞の拒絶誘導が可能になることを証明し本年度報告できた(研究発表の項)。本研究結果から、細胞代謝産物の評価と成熟化シグナルによる機能・表現型などの生物学的特徴を比較することにより成熟関連分子の相関を明らかにすることが出来た。
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Research Products
(4 results)