2006 Fiscal Year Annual Research Report
核酸成分を中心とした免疫アジュバントによる樹状細胞活性化機構
Project/Area Number |
18590483
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット |
Research Abstract |
樹状細胞の成熟分化刺激として、Toll様受容体(TLR)と呼ばれる樹状細胞上の一群の膜タンパクは極めて重要である。その樹状細胞への効果は、TLRの発現パターンばかりでなく、樹状細胞のサブセットにも大きく依存している。TLR7,TLR9は、核酸系免疫アジュバントを認識するTLRであり、その刺激により、樹状細胞から炎症性サイトカイン、I型インターフェロン(IFN)産生を刺激する。このI型IFN,特にIFN-αの産生能は形質細胞様樹状細胞(PDC)と呼ばれる樹状細胞サブセットに依存している。セリンスレオニンキナーゼIKKαを欠損するマウスの解析により、IKKαは、このPDC特有の機能、TLR7/9刺激によるI型IFN産生誘導に必須であることが明らかになった。一方、PDCからの炎症性サイトカインの産生、および、TLR7/9以外の刺激によるI型IFN産生誘導にはIKKαは必須ではなかった。また、IKKαは、PDCにおいて高い発現を示す転写因子IRF-7と会合し、リン酸化し、活性化させることにより、機能していることも明らかになった。 IRF-7はcDCにおいても種々の刺激により、発現が誘導される。しかし、IRF-7を発現したcDCにおいても、TLR7/9刺激によりIFN-α産生は誘導されないので、さらにPDC特異的な機能分子の存在が示唆される。DNAマイクロアレイを用いた解析により、PDC,cDCの遺伝子発現プロフィールを決定した。今後、PDC特有の発現を示す遺伝子群の解析を進める。
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