2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるNK関連分子およびNK細胞の関与(基盤研究(C)一般)
Project/Area Number |
18590484
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
小笠原 康悦 Research Institute, International Medical Center of Japan, 難治性疾患研究部臨床免疫研究室, 室長 (30323603)
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Keywords | 自己免疫疾患 / NKG2D / 糖尿病 / NODマウス / RAE-1 |
Research Abstract |
I型糖尿病は自己免疫疾患であるが、その分子機構は不明である。我々は、自己免疫性糖尿病モデルNODを用いて、自己反応性T細胞がNK活性化レセプターNKG2Dを発現すること、NKG2DリガンドであるRAE-1が膵臓特異的に発現誘導されることを発見し、RAE-1の異常発現が疾患の誘因となっていることを発見した。本研究の目的は、これまでの結果からストレスにより誘導されることが知られているNKG2Dリガンド(RAE-1)の発現調節機構の解析を通して、自己免疫性糖尿病の病態の理解を深め、その原因遺伝子を追究すべく研究を展開していくことである。RAE-1の発現制御機構を解析するため、NODマウス、C57BL/6(B6)マウスおよびNODxB6F1(F1)マウスを用いて解析した。NODマウスはRAE-1α,β,γを、B6マウスはRAE-1δ,εを遺伝子としてもっている。F1マウスはNKG2Dリガンドの遺伝子はRAE-1α,β,γ,δ,εのすべてをもっている。これらマウスを用い、RAE-1のmRNAの発現を定量的PCR法を用いて解析した。その結果、NODマウスにおいてRAE-1αが、RAE-1β,γに比べて高発現していることが判明した。また、F1マウスにおいて遺伝子発現の偏りがなければ、RAE-1遺伝子すべてにおいて親マウス(NODまたはB6)と比較して発現が半分になることが予想された。RAE-1β,γ,δ,εは親マウスと比較して発現が半分になったが、RAE-1αは予想に反して大幅に発現が低下していた。これらの結果から、NODマウスにおけるNKG2Dリガンドの異常発現の主たる因子はRAE-1αであること、C57BL/6由来のRAE-1αの転写を抑制する因子が存在することが判明した。さらに、RAE-1α,β,γについて、プロモーター領域のクローニングに成功した。
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